電脳世界の空の下

今頃シュタインズゲートに到達した・・・感動した!!

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二人のとあるウォリアーがまだ駆け出しだった頃の話。
街を出て荒野を歩いていく二人のウォリアー。
「あーあ、また辺境のパトロールかよ!」
両手斧を肩にかけた女戦士が不満そうに言い放った。
「ファイアール、仕方ないよ、私達新米の兵士だもの。」
盾と片手剣を携えた女戦士ネルが言う。
この国では戦争最前線で活躍できるのはある程度の腕のあるものに限られる。よって新米兵士の場合、複数で辺境のパトロールをするのが通常任務の一つとなっていた。
もちろん、そのパトロールも重要な任務となっており、事実その際、自国に密かに侵入していた敵スカウトとの戦闘もしばしば起こっていた。
ファイアールは、ふと思いついてネルに尋ねた。
「なあ、なんで片手武器のウォリアーをしてるんだ?片手武器だと威力は小さいし、射程も短いだろ?」
問われたネルは、小首をかしげたが、逆に問い返した。
「じゃ、あなたは何で両手武器のウォリアーをしてるの?」
「うーん、そうだなあ、あたしにとっては、両手武器の威力が魅力なんだ。威力がなければ敵を倒せない。戦争が起きた時、あたしは敵を倒す剣になりたいって思ったんだ。だから両手武器を使ってるのさ。」
ファイアールは熱く語った後、自分の言葉に気恥ずかしくなったのか頬を赤らめた。
「そっかー、わたしは片手武器を使いたいというより、この盾を使いたいんだ。盾はね、敵を倒す威力はないけど、大切なものを護る役目を持ってるんだ。わたしは味方を護る盾になりたいな。」
ネルは持っている盾を見ながら、答えた。
そしてネルは続けた。
「そうそう、わたし新しい技を覚えたよ。それは・・・」
「しっ、待って!」
ファイアールは低い声でネルを制した。
二人の前方の崖下に人の気配があった。
二人は崖に腹ばいになり、そっと下を覗き込んだ。
崖の下は三方を岩肌に囲まれた狭い空間だった。
そこに二人のそれぞれ杖を持った軽装の女性が向かいあい、何か話をしているようだ。
「・・・あの装備は敵、エルソードのソーサラーだな・・・」
ファイアールは考える。
(この狭い空間なら距離を取ることができないから、ウォリアー有利。軽装のソーサラー二人ならあたしたちだけで十分やれる・・・)
飛び出そうとするファイアールをネルが止めた。
「待って、ちょっとおかしいよ。こんなところにソーサラーが二人で潜入しているなんて・・・」
「何もおかしくないよ!」
ファイアールはその場でエンダーペインを使うと崖から飛び降りた。
ソーサラー二人の間に着地すると、ベヒモステイルで二人に同時攻撃をかけた。
大ダメージを受けてよろめく二人を想像したファイアールだったが・・・
「!」
予想に反して二人はダメージを受けた素振りも見せず、襲いかかってきた。
その手には、いつの間にかファイアールのものより一回り大きな両手斧が握られている。
(しまった!ウォリアーがソーサラーに変装していたのか!罠にかけられた!)
そしてすぐ、ファイアールは敵二人のウォリアーとしての技量が自分達をはるかに上回ることに気づく。
そして奇襲には最適と思えたこの狭い場所が、逃走を困難にする最悪な場所になっていることに愕然とする。
(もうだめだ、私は助からない。例えネルが来てもこの二人を倒すことはできず、共倒れになるだけだ・・・)
ファイアールは崖の上のネルに「来るなっ!」と叫び、街に戻るよう手を振った。
(こうなったら、あたしが死ぬ前に少しでもダメージを与えてやる!)
ファイアールは二人を相手に死力をふりしぼるが、大したダメージを与えられず、自身はダメージを受け続け、じょじょに弱っていく。
その時、敵の肩越しにネルの顔が見えた。
(来るなって言ったのに!)
ネルに気づいた敵が振り返り、一撃をネルに加える。
だが、ネルはひるまず、踏み込んで盾を敵に激しく打ちつけた。
硬直する敵の体。
もう一人にも同様の一撃。
気づくと棒立ちになっている敵二人を後ろにしてネルが手を差し伸べていた。
「早く、撤退しよう!この硬直は長くは続かない!」
ネルが叫ぶ。
「・・・ああ」
ファイアールたちは敵を残して街に向かって走りだした。
逃走と応援を求めるために。
「・・・来るなって言ったじゃないか!」
ファイアールが怒ったように言った。
「そうだっけ?」
ネルがとぼけて言葉を続ける。
「さっきのは新しく覚えた技でシールドバッシュって言うんだ。相手を倒す威力はないけど、衝撃で一時的に相手を失神させることができる盾独自の技なんだよ。」
「・・・すごい技だな、助かったよ・・・」
はじめて礼を言うファイアール。
ネルが微笑んだ。
その時ファイアールは、ネルが『味方を護る盾になりたい』と言った言葉の意味がわかったような気がしたのだった。



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2007.04.07 02:49 | FEZ小説 | トラックバック(-) | コメント(1) |
その音が鳴り響いたのは、彼女が最後のゴブリンと闘っている時だった。
音に気をとられたかのように刹那、彼女ファイアールの動きが止まり、ゴブリンメイジはその隙に魔法で火球を放った。
チッと舌打ちをしてファイアールはサイドステップで火球をかわし、間髪を入れず長柄の両手斧を肩に構えたまま、前方に跳躍する。

ストライクスマッシュ!

両手武器を使うウォリアーの技で、その跳躍は一瞬で敵との間合いを詰め、体躯の捻りを使った重い一撃を繰り出すことができる。

数秒後、彼女はホークウィンド高地で地に倒れふす十匹ほどのゴブリン達の中に一人立っていた。
上気した顔を上げ、先ほどの音の余韻がまだ中空に鳴り響いているのを確認する。
それは間違いなく、ネツァワルの国王ヒュンケルの兵士の召集を告げる角笛の音だ。
ファイアールは愛用のヘビィアックスの先を音を立てて地面に下ろし、
空いた左手で額の汗を拭い、溜息を一つつく。

(この武器は女には重過ぎるよ・・・)

召集の角笛は二回目である。最初の一回目の時はメルファリアの五カ国を巻き込む戦争の直前だった。
その戦争で戦った相手のことをファイアールは思いだしていた。
隣国エルソードの魔法兵団の放つ炎、氷、雷の魔法が自軍の兵士を打ち倒していくのを。
その弾幕の如き魔法を突破するのにどれだけの自軍のウォリアーが犠牲になったことか。

(やつらに借りを返さなくてはな・・・)

敵に思いを馳せ、ヘビィアックスを持つ手に思わず力が入る。
ネツァワルに伝わる伝承によれば、メルファリアの五カ国を巻き込む戦争は二度起こるが、それは来たるべき真の大戦の前哨戦に過ぎないという。

(例え前哨戦といえど、我がネツァワルは負けるわけにはいかない!)

ファイアールは首都ベインワットの方角に向き直ると、疾走を開始した。
途中でまたゴブリン達が襲ってくるが、「お前たちと遊んでいる暇はない!」と一言吐き捨てて、ゴブリン達の頭上を高く跳躍して走り去る。
いつの間にか夜の帳が下りてきて、空に星が瞬きはじめる。
街に近づくと多くの篝火が見え、ビクトリオン大陸全土から兵士達が集まってきているのがわかる。

国全体が戦いの前の熱気に包まれている中、ファイアールは自分の中にも闘志と熱気が湧きあがるのを感じながら夕闇の中を疾走していった・・・。



2007.04.06 00:38 | FEZ小説 | トラックバック(-) | コメント(5) |
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