電脳世界の空の下

今頃シュタインズゲートに到達した・・・感動した!!

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俺は平原の中を流れる河に向かって走った。
河は幅10メートルほど、水深は膝くらいで流れはゆったりしている。
俺は河に沿ってしばらく走り、目当ての地形を探した。
ほどなく俺は、河の中央に直径2メートルくらいの大岩を見つけ、河に走りこむとその平らな上部に跳びのった。

(ここならおあつらえ向きだな・・・)
たとえマスタークラスでもハイドで水面を移動する際には波紋を残す。
奴が俺に近づくためには、少なくとも一歩は水面に足を踏み入れなければならず、その波紋によって奴の接近が感知できるのだ。
もし波紋が生じたら、すかさず俺のパニッシングを奴にぶち込み、ひるんだ隙にレッグブレイクを使う。
だが、無謀な追撃はせず、そのまま最後の力を振り絞って国境まで走りぬける。
これが俺の立てた作戦だった。
   
俺は大岩の上にしゃがみ、携帯食を口に含んだ。
少しでも力を回復しておかなければならない。
そして俺は待った。
待っている間、俺は特殊工作部隊の老教官のことを思い出していた。
彼は頬に十字の傷のあることから、クロスと呼ばれていた。
若い時は、多くの武勲を立てた短剣スカウトだったという。
講義の中でクロス教官は言っていた。
「ハイドを使用中はな、1番大切なことは忍耐だ。例えばもし敵にハイドで近づくとする。この時、戦闘の優位性はこちらにある。なぜなら、相手がこちらに気がつかないかぎり、無防備の相手にパニッシングなり、他の攻撃が行えるからだ。」
「だが、確実な機会を待たず、焦ってパニッシングを使用し、その攻撃を外したとする。その時、戦闘の優位性は相手に移るだろう。こちらは技を出した後の硬直で無防備であり、もちろんハイドが解けているからパニッシングを使うこともできない。」
クロス教官は片目をつむって親指で自分の首を掻き切るマネをした。

「つまりハイド中の心得とはな、確実な機会を捉えるまで、1に忍耐、2に忍耐、3、4がなくて5に忍耐なんじゃよ。」
彼はこの冗談めいた言い回しを好んで使っていたのだった。

(1に忍耐、2に忍耐、3、4がなくて5に忍耐か・・・。)
俺は心の中でつぶやくと、そのまま待ち続けた。
奴が応援を呼びにいったり、俺の追跡を諦める可能性についても考えてもみたが、格下の俺に対してそのような行動を取ることは、奴のプライドが許さないだろう。
奴は絶対攻撃してくる。
やがて陽は落ち、辺りは黄昏てきた。

そして、それは唐突に起こった。



後編につづく
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