電脳世界の空の下

今頃シュタインズゲートに到達した・・・感動した!!

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そこは地上ではないどこか。
白い大理石の列柱が聳える広間の中心に巨大な円卓を囲んで五人の人影が佇む。
見ると、円卓には白い雲が流れ、青い海、海に浮かぶ六つの大陸が存在している。
更に目を凝らせば、無数の微小な生物がその生を営んでいることさえも、見て取れた。
円卓を囲む五人は人間ではなく、またその容姿は、ぼんやり霞みはっきりとしない。
よって彼らの僅かな印象を元に、これから彼らを仮の呼び名で呼ぶこととする。

獣面の戦士が口火を切った。
「このところ、中央大陸の戦局は安定化の傾向がある。戦死者も少数にとどまってるようだ」
「そのようだ。このところ新しい召還法などが発生しなかったせいもある」
女騎士が答え、老魔法使いを見やる。
「・・・ふむ。ワシのせいにはしてくれるな。そう新しい召還法などを開発させるわけにはいかんしの」
老魔法使いは、顎ひげをしごきながら困ったように答える。
若い盗賊が言い放つ。
「今のままでは計画が遅延する恐れがある。早急に何か手を打つ必要があるだろう」
「・・・心配することはない。もう手配済みだ。次の転換期は、まもなくネツァワルとエルソードの国境で予定通り開始されるじゃろう」
老魔法使いが答えた。
女騎士が身を乗り出す。
「ほう、いよいよか・・・。あれが存在するのは、かつてのトルクマイヤ帝国建国時以来だな」
「・・・いや、今回はあくまで一個人の先駆けに過ぎぬ。世界規模の目覚めはまだまだ先のことじゃ」
「だがそれでも、これは不断の闘争を続けた成果だ。現在の人間の潜在能力、多様性はトルクマイヤ帝国時代とは比較にならぬほど進化している。あれに目覚める人の数はかつてとは比べ物にならぬであろう」
獣面の戦士が言う。
「多くの命と長い時間をかけた甲斐があったな」
若い盗賊は自嘲気味に笑っているようだ。

今まで黙っていたが口を開いた。
「今も多くの人が戦い、多くの命が喪われています。彼らは、自分達の戦いの真の意味を知ることはあるのでしょうか」
「・・・おそらくあるまい」と獣面の戦士
「我等が仮の姿を借りているこの者ども・・・各大陸で最も魂の力の強き者どもでさえ、この戦いの真の意味は無意識の裡におぼろげに知覚するのみ・・・」
女騎士が呟く。
「なぜなら、それは地上の理の外にあるがゆえ・・・」獣面の戦士も呟く。
「哀れなことです」が溜息をつく。
「哀れではあるが、やむを得ぬこと」と若い盗賊
「・・・我等にとって大切なのは、どの陣営も全き勝利も全き敗北も得ることのない不断の闘争を更に活性化させることじゃ。それこそがやがて来るべき闘いに勝利するための礎となるじゃろう」
そう言って老魔法使いは宙を仰いだ。

そこで会話は途切れ、円卓を沈黙が支配した・・・・・・。


2008.03.10 18:15 | FEZ小説 | トラックバック(-) | コメント(3) |
俺の右手に水の飛び散る音がした。
一点を中心に広がる波紋。
考えより先に俺はパニッシングを発動していた。
奴のいるであろう空間に向かって奴より早く技を放つ。
パニッシング独特の空を切り裂く音が響く。

だが、俺の刃は空を斬った。
(奴がいない!)
パニッシング後の硬直を起こしている俺の体。
背後にパニッシングの発動音!
おそらく奴は、まず小石か何かを投げ入れ囮に使い、反対側から襲ってきたのだ。
こんな子供だましの手にひっかかるとは!

時間が急にゆっくり流れるようになった。
足元より飛び散った水しぶきの一粒、一粒がはっきり見分けられる。
奴の刃が俺の背中に向かって近づいてきているのが感じられる。
回避しなければ!
だが、体が動かねえ。
精神は動けと命令するが、体はまるで石になったよう。
動け、俺の体!!
 


 
大気中に3連のパニッシングの発動音が響いている。


3連!?


硬直を脱して旋回しながら、背後を見やる。
まず俺の視界に飛び込んできたのは、両手に短剣を持った男のシルエット。
男のシルエットはゆっくり前のめりに崩れ落ちた。
その背後に2人の男女が立っていた。
俺はその顔に覚えがあった。
2人は特殊工作部隊のマスタークラスで、男はガックン(コードネーム)と女はツイン(コードネーム)、彼らは俺の先輩に当たるわけだ。
あまりのことに唖然としている俺を見て、彼らは顔を見合わせてニヤニヤしている。

「ど、どうして?」やっと言葉を搾り出す俺。
「お前が敵に追跡されているのを見つけてな。追いかけてきたんだ。」答えるガックン。
「ありがとう、助かった・・・でもいつから?」
「最初からだ。」
「最初!?」
「お前がネツァワルを出立した時に俺たちも出立したのさ。ずっとお前を視界に捉えながら移動していたんだよ。」
「!?」驚きで目を見開く俺。
(俺は2人の存在に全く気づかなかった・・・それにこれは俺の単独任務ではなかったのか!?)
俺の疑問を見透かしたようにツインが話しはじめた。
「もちろん、貴方に与えられたのは敵陣の偵察という単独任務。そして私達には、敵陣の偵察及び新人のフォローという単独任務が与えられていたの。偵察というのはそもそも単独で行うもの。大勢で偵察に行ったら、敵に発見される可能性が高くなるから。」
「そうか・・・では、最初に敵小隊に俺が発見された時はなぜ、姿を現さなかった?」俺は聞いた。
「あそこでは俺たちの力は必要なかった。そして事実、お前は無事切り抜けた。」ガックンが答える。
まだ俺には腑に落ちないことがあった。
「俺を襲ってきた男は・・・」俺は足元の死体を見る。
「夜明け前から俺を追跡していたはずだ。貴方方には奴を片付ける機会はいくらでもあったはずだが?」
「もちろん、何度もあったとも。だが確実な機会ではなかった。俺たちは奴が確実な隙を見せるのをずっと待っていたのさ。」

俺はまた唖然とした。彼らも俺たちを追跡しながら、6時間以上も機会を待っていたのだ。
「ハハ・・・スカウトってやつらは、まったく・・・」
俺は脚の力が抜け、その場にしゃがみこんだ。
ツインも片膝を立ててしゃがみ、俺の顔を覗き込む。
「新人にしてはよく頑張ったよ。」
「でも今回の任務で実感したでしょ。ハイドスカウトの心得。1に忍耐、2に忍耐・・・」
「3、4がなくて・・・」とガックン。
「5に忍耐。」と俺。
3人で忍び笑いをする。
「さて休憩はここまで。ハイドをして国境を目指すよ。」ツインが言う。
うなづく俺とガックン。

俺たちは三つの影となり、国境目指して疾走を開始した。

762[1].jpg



おわり
俺は平原の中を流れる河に向かって走った。
河は幅10メートルほど、水深は膝くらいで流れはゆったりしている。
俺は河に沿ってしばらく走り、目当ての地形を探した。
ほどなく俺は、河の中央に直径2メートルくらいの大岩を見つけ、河に走りこむとその平らな上部に跳びのった。

(ここならおあつらえ向きだな・・・)
たとえマスタークラスでもハイドで水面を移動する際には波紋を残す。
奴が俺に近づくためには、少なくとも一歩は水面に足を踏み入れなければならず、その波紋によって奴の接近が感知できるのだ。
もし波紋が生じたら、すかさず俺のパニッシングを奴にぶち込み、ひるんだ隙にレッグブレイクを使う。
だが、無謀な追撃はせず、そのまま最後の力を振り絞って国境まで走りぬける。
これが俺の立てた作戦だった。
   
俺は大岩の上にしゃがみ、携帯食を口に含んだ。
少しでも力を回復しておかなければならない。
そして俺は待った。
待っている間、俺は特殊工作部隊の老教官のことを思い出していた。
彼は頬に十字の傷のあることから、クロスと呼ばれていた。
若い時は、多くの武勲を立てた短剣スカウトだったという。
講義の中でクロス教官は言っていた。
「ハイドを使用中はな、1番大切なことは忍耐だ。例えばもし敵にハイドで近づくとする。この時、戦闘の優位性はこちらにある。なぜなら、相手がこちらに気がつかないかぎり、無防備の相手にパニッシングなり、他の攻撃が行えるからだ。」
「だが、確実な機会を待たず、焦ってパニッシングを使用し、その攻撃を外したとする。その時、戦闘の優位性は相手に移るだろう。こちらは技を出した後の硬直で無防備であり、もちろんハイドが解けているからパニッシングを使うこともできない。」
クロス教官は片目をつむって親指で自分の首を掻き切るマネをした。

「つまりハイド中の心得とはな、確実な機会を捉えるまで、1に忍耐、2に忍耐、3、4がなくて5に忍耐なんじゃよ。」
彼はこの冗談めいた言い回しを好んで使っていたのだった。

(1に忍耐、2に忍耐、3、4がなくて5に忍耐か・・・。)
俺は心の中でつぶやくと、そのまま待ち続けた。
奴が応援を呼びにいったり、俺の追跡を諦める可能性についても考えてもみたが、格下の俺に対してそのような行動を取ることは、奴のプライドが許さないだろう。
奴は絶対攻撃してくる。
やがて陽は落ち、辺りは黄昏てきた。

そして、それは唐突に起こった。



後編につづく
正午の日差しの中、平原をハイドしたまま疾走している。
聞こえるのは、俺の足音のみ。
前触れもなく、急に立ち止まる。
立ち止まったのに、足音が一歩分余計に響く。
(ちっ、まだ追ってきてやがる・・・)
俺は後方をにらみつけたが、奴の気配を感じ取ることはできず、静寂が辺りを支配している。
(こんなことになるとはな・・・)

20060531194430.jpg

俺の名はパニ、ネツァワル特殊工作部隊所属の短剣スカウトだ。
(パニとは本名ではなく、コードネームだ。ネツァワル特殊工作部隊に配属されたものは、名前を含む一切の素性を隠蔽され、以後はコードネームで管理される。)


今日は部隊配属後、初めて命じられた単独任務の実行日だった。
その任務とは、現在戦争状態にあるエルソードの領土深く潜入し、その兵力の配置、規模を探る偵察活動である。
俺は夜明け前にエルソードに潜入し、偵察を行ったその帰路、なかば偶然からハイド状態なのに敵小隊に発見されてしまったのだ。
なかば偶然というのは、俺がハイドして移動していた近くを兎が走り抜け、それを見た巡回中の敵小隊の1人が弓でレインを撃ち、俺はその流れ矢を喰らってハイドが解けてしまったというわけだ。
まったく間抜けな話さ。
それからが大変だった。
一小隊が血眼になって俺を追いかけてくる。
俺は必死に奴らから逃げ回り、ようやく逃げおおせたが、その時は再びエルソードの領土深くに逆戻りしてしまっていた。
再び、国境を目指そうとしたものの、すぐ俺は怖ろしいことに気づいた。
何者かが、俺を追跡している・・・
おそらく敵国ハイドスカウトだが、つかず離れずついてくる。
俺がその所在をはっきり掴めない事から、奴がマスタークラスのハイドスカなのは間違いないだろう。
短剣スカウトのスキルには、三つの系統があり、その最上級スキルは、アームブレイク、ヴォイドダークネス、パニッシングストライクである。その最上級スキルすべてを修得したものはマスターと呼ばれるのだ。
残念ながら俺はまだ一系統のパニッシングストライクを修得しただけで、スカウトとしてはマスターに比べれば赤子のようなものだ。
戦闘力もハイドの技法もマスターには遠く及ばない。

そして話は冒頭に戻るのだが、夜明け頃から追跡され続け、俺の精神と体力は絶え間ない緊張から限界に達しようとしていた。

(奴は俺が疲れて隙を見せるのを待って襲いかかるつもりなのだろう・・・国境まではまだ遠い・・・この逃走をこれ以上続けても国境に辿り着く前に俺は疲れきり、奴に倒されてしまう・・・闘いを挑むにしても駆け出しの俺がマスタークラスに勝てる可能性は0に近い・・・どうする?・・・)

死が間近に迫る絶望的な状況の中、最終的に俺は奴に一か八かの闘いを挑むことを決心したのだった。



中編につづく
二人のとあるウォリアーがまだ駆け出しだった頃の話。
街を出て荒野を歩いていく二人のウォリアー。
「あーあ、また辺境のパトロールかよ!」
両手斧を肩にかけた女戦士が不満そうに言い放った。
「ファイアール、仕方ないよ、私達新米の兵士だもの。」
盾と片手剣を携えた女戦士ネルが言う。
この国では戦争最前線で活躍できるのはある程度の腕のあるものに限られる。よって新米兵士の場合、複数で辺境のパトロールをするのが通常任務の一つとなっていた。
もちろん、そのパトロールも重要な任務となっており、事実その際、自国に密かに侵入していた敵スカウトとの戦闘もしばしば起こっていた。
ファイアールは、ふと思いついてネルに尋ねた。
「なあ、なんで片手武器のウォリアーをしてるんだ?片手武器だと威力は小さいし、射程も短いだろ?」
問われたネルは、小首をかしげたが、逆に問い返した。
「じゃ、あなたは何で両手武器のウォリアーをしてるの?」
「うーん、そうだなあ、あたしにとっては、両手武器の威力が魅力なんだ。威力がなければ敵を倒せない。戦争が起きた時、あたしは敵を倒す剣になりたいって思ったんだ。だから両手武器を使ってるのさ。」
ファイアールは熱く語った後、自分の言葉に気恥ずかしくなったのか頬を赤らめた。
「そっかー、わたしは片手武器を使いたいというより、この盾を使いたいんだ。盾はね、敵を倒す威力はないけど、大切なものを護る役目を持ってるんだ。わたしは味方を護る盾になりたいな。」
ネルは持っている盾を見ながら、答えた。
そしてネルは続けた。
「そうそう、わたし新しい技を覚えたよ。それは・・・」
「しっ、待って!」
ファイアールは低い声でネルを制した。
二人の前方の崖下に人の気配があった。
二人は崖に腹ばいになり、そっと下を覗き込んだ。
崖の下は三方を岩肌に囲まれた狭い空間だった。
そこに二人のそれぞれ杖を持った軽装の女性が向かいあい、何か話をしているようだ。
「・・・あの装備は敵、エルソードのソーサラーだな・・・」
ファイアールは考える。
(この狭い空間なら距離を取ることができないから、ウォリアー有利。軽装のソーサラー二人ならあたしたちだけで十分やれる・・・)
飛び出そうとするファイアールをネルが止めた。
「待って、ちょっとおかしいよ。こんなところにソーサラーが二人で潜入しているなんて・・・」
「何もおかしくないよ!」
ファイアールはその場でエンダーペインを使うと崖から飛び降りた。
ソーサラー二人の間に着地すると、ベヒモステイルで二人に同時攻撃をかけた。
大ダメージを受けてよろめく二人を想像したファイアールだったが・・・
「!」
予想に反して二人はダメージを受けた素振りも見せず、襲いかかってきた。
その手には、いつの間にかファイアールのものより一回り大きな両手斧が握られている。
(しまった!ウォリアーがソーサラーに変装していたのか!罠にかけられた!)
そしてすぐ、ファイアールは敵二人のウォリアーとしての技量が自分達をはるかに上回ることに気づく。
そして奇襲には最適と思えたこの狭い場所が、逃走を困難にする最悪な場所になっていることに愕然とする。
(もうだめだ、私は助からない。例えネルが来てもこの二人を倒すことはできず、共倒れになるだけだ・・・)
ファイアールは崖の上のネルに「来るなっ!」と叫び、街に戻るよう手を振った。
(こうなったら、あたしが死ぬ前に少しでもダメージを与えてやる!)
ファイアールは二人を相手に死力をふりしぼるが、大したダメージを与えられず、自身はダメージを受け続け、じょじょに弱っていく。
その時、敵の肩越しにネルの顔が見えた。
(来るなって言ったのに!)
ネルに気づいた敵が振り返り、一撃をネルに加える。
だが、ネルはひるまず、踏み込んで盾を敵に激しく打ちつけた。
硬直する敵の体。
もう一人にも同様の一撃。
気づくと棒立ちになっている敵二人を後ろにしてネルが手を差し伸べていた。
「早く、撤退しよう!この硬直は長くは続かない!」
ネルが叫ぶ。
「・・・ああ」
ファイアールたちは敵を残して街に向かって走りだした。
逃走と応援を求めるために。
「・・・来るなって言ったじゃないか!」
ファイアールが怒ったように言った。
「そうだっけ?」
ネルがとぼけて言葉を続ける。
「さっきのは新しく覚えた技でシールドバッシュって言うんだ。相手を倒す威力はないけど、衝撃で一時的に相手を失神させることができる盾独自の技なんだよ。」
「・・・すごい技だな、助かったよ・・・」
はじめて礼を言うファイアール。
ネルが微笑んだ。
その時ファイアールは、ネルが『味方を護る盾になりたい』と言った言葉の意味がわかったような気がしたのだった。



2007.04.07 02:49 | FEZ小説 | トラックバック(-) | コメント(1) |
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